四国一周ツアー5日目。今日は筆者爆誕の日。30歳を迎えました。アラサーではなくサーです(←うるさい)。悲しいかな雨始まり。予報通りなのですが。昨日前倒しで走ったのは賢明でした。この有様にも関わらず、村田さんには企みがある模様。今日は特別な日だからと前々から言われていました。ちなみに誕生日であることは伝えておりません。モニターの応募書類には書きましたが、とてもちんまり。誕生日に因んだとあれば驚くべきですが果たして。真意は見えぬまま、早朝からMURATA号で移動です。

今日は朝から温泉に連れて下さいました。既にお祝いは始まっているのでしょうか!? 着いたのは「宿毛リゾート 椰子の湯」(公式HP:https://yashinoyu.com/)。宿毛湾を一望できる露天風呂は貸切状態でした。特等席の寝湯も一人きり。海しか映さない視界を思い行くまま。セレブってこんな感じでしょうか。入浴後はホテルのレストランでおやつをご馳走に。海を望む窓際の席。贅沢すぎて震えます。

一生縁が無かっただろう優雅な朝
お風呂上がりの甘味はたまりません。がっつり揚げパンを頂きます!

走行は雨が控えめになるのを待ってのスタートとなりました。控えめといっても激しいです。割と悪天候でも走るのだなぁと、やるせぬ気持ちで出発の儀。

出発の儀。問題作。YouTubeの方でネタとして公開されてしまったので開き直って掲載

今日は国道56号線をひたすら北上。宇和島までは海と山。ときおり漁師町の景観を楽しめるコースです。どうなることやらと思いましたが、雨は比較的すぐに小康状態へ。そして止んで曇天。更には晴れ間。奇跡ですか?雨上がりの景色はキラキラと反射しています。誕生日にこの演出。我は天に祝福されている。そんな気分にもなりますよね(※すぐ調子に乗るタイプ)。

海に浮かぶ規則的ドット。潮の流れで出来たのだろう曲線がかわいい
光が差すと海の色はこんなにもキレイです

1年前の今日はこんな風に30歳を迎えるとは想像していませんでした。去年の今頃は恐らく自分史上最大の病み期にありました。担当テーマが区切りを迎え、業務内容がガラっと変わり暫く。適性は壊滅的で、無に帰す仕事を量産する日々を送りました。役立たずという自覚が心を削り、消えたいと願っては朝を迎え。開花しないステルス機能に落胆する毎日(普通にアホですが、渦中は切実に欲しくなります)。どうにもならず、やっと何か変えようと一念発起したのがいつ頃だったでしょうか。それからは自分を変える方法とされる色んな手段を試して、周りの助けも借りて。ゆっくりと回復する中でしたい事を見つけました。仕事を辞めて、そして今。ご縁があって四国一周に挑戦しているのです。

数日ながら新しい出会いがあり、新しい景色があり、刺激的な日々。1年前は苦しすぎましたが。生きていれば素晴らしい事もあるのだと。全ての延長線上に今があると思えば、不思議と色んな人の顔が浮かびます。自分という存在は関わった一切の人によって形成されている。何故かそう思い至り、この上なく恵まれた身に思いました。

無職×独身×アラサー。宙ぶらりんな身の上は幼いと言われて可笑しくないと思いますが。1年前の自分より大躍進できたから良いという事にしました。これからです。

雨上がりの澄んだ青。元気を貰って足取りが軽くなります

国道56号はMURATA号を途中停車できないゾーンがあります。そんな時は定期的に現在地を共有。自転車を止めねば連絡できないのは少し手間ですが、緊急事態に備えての配慮です。慣れないアプリ操作にあたふた (この時はMessengerとGoogleMapを使用)。機械音痴は大変です笑。

今日は気分が大きいので村田さんに内緒で脇道を冒険。最終的に目的地に着けば良いのです(※違う)。少し国道を外れ、芳原川沿いへ。車を気にせず快適なのは勿論のこと。穏やかな川の眺めが良い感じ。優雅に移動する白鷺や、さわさわとした水音。体感時間がゆっくりになる世界は癒やし効果抜群です。途中からは自転車歩行者専用道路に繋がりました。津島岩松IC付近は、自転車走行には危険ポイントなので、この辺りで専用道路に入ることをオススメします。

発見した自転車歩行者専用道。並木が車道の喧噪を緩衝してくれて、気持ちよく走れます

宇和島まで無事完走。ゴール「牛ちゃん」で腹ごしらえです。どうしても食べたかった焼き肉をオーダー。本ツアー、お食事先も柔軟に変えていただけるらしいのですよ。斬新なスタイルです。

美しき肉の共演。薄付きのタレでお肉の味が存分に楽しめました

私服に着替えて午後からは観光です。万歳!! ここからはMURATA号で移動です。まずは、「道の駅みなとオアシスうわじま きさいや広場」にある「牛鬼館」から。宇和島の夏祭りで使用される牛鬼。お土産処にあった顔面から想像されたのは獅子舞サイズでしたが。遙かに凌駕する巨体に出迎えられてビックリ。高さは5~6 m、重さは約750kg。見た目は毛足の長い牛と麒麟の和風キメラという感じでしょうか。大人でも怯む迫力でした。

お土産処にあった牛鬼の頭。多分50cmぐらい??
牛鬼の全貌。生き物のような毛並みで、本能に訴えるものがあります

写真は無いですが、お隣の「真珠館」も訪問。宇和島真珠の宝石店 兼 資料館です。宇和島は真珠の養殖が盛んらしいのです。上品な光沢の真珠達。誰をもレディにしてくれそうですが。手にするには少々~結構な背伸び必要そうです。折を見てまた来ましょう笑。

お次は「河合太刀魚巻店」。何が食べたい?と聞かれていたので、宇和島名物「太刀魚巻」を所望していたのです。初対面を楽しみにしていたのですが。到着すると看板には悲報。近日の荒れ模様で太刀魚が入荷できてないとのことです。うーん、無念。これも旅の醍醐味ですね。代わりにアジのスリミコロッケをGETしました。胡椒が効いてビールが欲しい一品。よきですねぇ。

自然は気紛れ。気持ちよく諦めも付きます笑
すり身がぎゅっと詰まっていて十分な食べ応え

予想外の場所にも立ち寄りました。地元のケーキ屋さん。今朝誕生日を知り、急遽スケジュールに加えて下さったそうです。今年は心密かに楽しめれば良いと構えていたので、これは驚き。有り難き幸せです。純粋に嬉しいですし。誕生日を知っても見過ごして良い筈なので、特別に取り計らってくださる心意気がまた嬉しいです。与えて貰うことは、こんなにも幸せなのですね。自分もそれができる人になろうと胸に刻むのでした。ところで村田さんが計画されていたサプライズとは??答はお宿にありました。晩御飯前にチェックインしましたが詳しくは後程。

晩御飯は「かどや」にやってきました。メニューには宇和島の郷土料理がずらり。さすがは愛媛。柑橘を使用したお料理も楽しめます。こんな時は冒険したい派。ニッチなものばかり選んでいると、定番もどうぞと、鯛飯一人前もご馳走になりました。お陰様で本日もお腹一杯です。食べ旅ですね(※違う)。ちなみ写真を忘れましたが、真珠貝柱のバター焼きも美味しかったですよ。足を運ばれた際は是非ご賞味下さい。

丸ずし。酢飯の代わりにおからを使い、酢締めしたお魚を巻いたもの。さっぱり食べられます
フカ(小振りのサメ)の湯ざらし。生臭さは一切無く、さっぱりしています。食感が楽しい
真鯛のカルパッチョ。柑橘の香りで鯛のフレッシュさが際立ちます
定番のジャコ天。魚の旨味が凝縮され、言わずもがな美味しかったです
定番の鯛飯はお膳でやってきました。すでに腹八分目も別腹枠として入っていきました笑
鯛飯のHOW TO

村田さんからのサプライズ(※誕生日は関係ない)は、登録有形文化財での宿泊でした。時刻は遡ること16時。連れてきていただいたのは1911年創業「木屋旅館」。明らかに周囲とは一線を画す風格の建屋がそこに。素人目で見ても歴史的価値があると分かります。映像でしか見たことの無い犬矢来。軒先には風情ある行灯。玄関にはギリギリ視認できる程まですり減った木彫り看板。ここが今日の宿泊地。スキップしたい気持ちと恐れ多い気持ちがない交ぜになって情緒不安定です笑。

普通の町並みに突如現れる歴史。参考値:軽自動車 横幅 1.5m弱
玄関だけでもご飯三杯はいけますね

玄関をくぐれば想像とは違う空間。年季を感じるのですが。新しさも同居している不思議。それは旅館が再生されたことによるものでした。1911年に創業し、犬養毅などの偉人達も泊まったという木屋旅館。明治時代の建物であるため維持保存には改修が必須であったそうです。その際に完全再現ではなく、情緒を大切にしつつ、空間を楽しめる工夫が施され。先述した新しさは、それに由来するものでした。一つの継承の形なのだとしみじみ。現在は「一棟貸し」となっており、館内全体を心ゆくまま味わえるのです。大事なので繰り返しますが「一棟貸し」なのです。村田さんのサプライズはとんでもないものでした。

驚愕した玄関からの眺め
玄関アイテム① 当時から使用されていた下駄。歩くと鳴る軽やかな音もまた一興です
玄関アイテム②③ 傘立てと灰皿。年代物です
玄関アイテム④ 登録有形文化財の文字。絶対に汚せませないですね

グレブさんという方が旅館と周辺の歴史を案内してくださいました。ここは宿泊施設でありながら観光施設なのです。歴史に疎すぎる筆者は馬の耳に念仏状態。情けない。普段は諦めて右から左ですが。今日は根気強く聞きます。自分が与えて貰ったものを理解したかったというのと。グレブさんの旅館や宇和島に対する愛が伝わったからというのもあります。海外の方が真摯に日本文化に向き合ってくれているのを間近にすると、筆者にも自国愛が灯ります。グレブさんに個人的な事を尋ねるのは憚られましたが。移住の決断はハードルだったのか、そうでないのか、どう考えて今に至るのか、色々聞いてみたかったなぁ。

チェックインでお茶を頂きました。茶菓子のフロランタンは絶品です。併設の売店で購入可能
手入れが行き届いた中庭。小スペースなのに、とても奥行きを感じます
お風呂場は保存のため大改修がされた所の一つ。当時の面影としてタイルが残されています
お風呂場入り口には「浴室」の文字。この大衆感が愛おしい

一通りの説明後はついに貸切状態。荷物を広げてしまう前に写真撮影が正解でした。広い館内は全てが洗練され、「神は細部に宿る」を見ました。自然光に満ちた景色は昼間限りのもの。名残惜しくも時は有限です。晩御飯から戻ると雰囲気が変わっていました。2階のカラフルなLEDの仕掛けにより、幻想的な佇まいです(※色はお好みで選べます)。暖色の灯で陰影が濃くなった館内。ライトアップされた中庭。そこには昼間とは違う凝縮された趣がありました。明暗で違う表情を魅せる。これも日本の美意識なのでしょうか。大きな作品のようだと思いました。

夜の木屋旅館。LEDの色はブルーと紫をチョイスしました
中庭のライトアップ。過去の偉人達もこの景色を眺めたのでしょうか

その夜、買ってくださったケーキを頂きました。家族とも友人とも同僚とも過ごさない誕生日。何でも無い1日になるだろうと思っていたのに。知り合って少しの村田さんがお祝いしてくださり、偶然木屋旅館のサプライズも重なり。30歳の節目は記念すべきものになりました。図らずもだったでしょうが、心からの感謝を申し上げたいと思います。

お祝いに頂いたケーキ。これからは村田さんの言うことをちゃんと聞こうと思いました←

今日は就寝時間になっても落ち着きません。単に興奮さめやらぬというのもありますが。それより寝る位置が問題でした。木屋旅館の仕掛けとしてもう1つ。2階には一部の床が透明な部屋があります。館内の何処でも寝ても良いということで。面白がってそこに布団を敷いた訳ですが。本能的に感じる高所の恐怖が障ったのか眠れず。結局、畳に布団を移動して就寝しました。締まらない30歳初日。

四国一周まであと671 km

モニターツアー【カメコ編】 記事一覧

DAY走行場所走行距離
1高知県 高知市~須崎市55 km
2高知県 須崎市~四万十市74 km
3高知県 四万十市~土佐清水市55 km
4高知県 土佐清水市~愛媛県 愛南町59 km
5愛媛県 愛南町~宇和島市40 km
6愛媛県 宇和島市~喜多郡 内子町58 km
7愛媛県 喜多郡 内子町~松山市62 km
7.5愛媛県 松山市 & 今治市走行はお休み
8愛媛県 松山市~今治市77 km
9愛媛県今治市~香川県観音寺市92.5 km
10香川県 観音寺市~高松市83 km
11香川県 高松市~徳島県 鳴門市73 km
12徳島県 鳴門市~海部郡 宍喰町99.5 km
13徳島県 海部郡 宍喰町~高知県 室戸市48 km
14高知県 室戸市~高知市77.5 km

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