四国一周ツアー3日目。2日間は天気に恵まれず、雨予報に頭を悩ましましたが。本日ようやく晴れマーク。ゴール「足摺岬」に行くには持って来いです。昨日と同じく、疲れは抜け切れない様子。太股がふわふわします。村田さん曰く、ペダルを踏んでいるのが原因とのこと。ペダルは下ろすものでは無く、回すもの。今日はそれを意識しながら漕いでみましょう。
ホテル出発。おかしい。お尻が。初日・2日目とあれだけ悶絶した激痛がマシになっています。初日に聞いた「大丈夫。慣れるから」by村田さん。不信感満載のあの言葉がリアルに。まさか硬化?今晩チェックします。朝のルートは、国道56号線から国道321号線に入り、四万十川の河川敷を下流へ。自転車が走れるスペースは狭いものの、悠々とした一級河川を眺めながらのサイクリング。1日の皮切りには最高です。足摺に向けて国道は内陸に入れば、一転して緑の山々。世間と時間の拘束から解放されてからというもの、今この瞬間に意識が向くようになった気がします。誰も写真にまでは残さないだろう光景に胸が躍ったり。走るという一点に集中できたり。考え事は案外しないもので。久しく無かった空っぽの頭でいるのは、何だかイイものです。
山を抜ければ、来ました海!!小高い位置から途切れ途切れに垣間見える濃いブルー。時折、飛んだサプライズにも出会います。「足摺宇和海国立公園」は、高知県の足摺岬から愛媛県の宇和海沿岸に至る公園。走っていると、いきなり弓状の巨大な浜が現れるのです。急ハンドル。吸い込まれるように駐車場へIN。景色を見れば、結局のところ「すごい!!!」。これに尽きます(※ただ語彙力が無いだけ)。
ちなみに村田さんから教わった走法。ペダルを踏み込む、ではなく回す。というのは何だか力が入らず変な感じ。筆者の悶々とは裏腹にどうやら快調な模様。村田さん「飛ばすねぇ」。・・・と言われましても。また内陸に入り、山を下れば、土佐清水の町に到着。「お食事処あしずり」にてお昼ご飯です。清水サバが有名とのことで、「清水サバの塩タタキ定食」に決定。サバに塩×ゴマ油×薬味(しかもニンニク)という新境地。強めの外野にサバが全然負けていないのです。「サバのハランボ・ニンニク醤油焼き」もまた絶品。脂の乗り方が半端じゃなく、とってもジューシー。清水サバ、感無量でした。
四国一周、時計回りの道なりに行けば、次はゴール「足摺岬」ですが。進捗が速いので、一旦、足摺半島は飛ばして、竜串まで前倒しすることに。国道321号線沿いは海再び。松崎海岸・落窪海岸と変化に富んだ海岸線を楽しみながら、「足摺海洋館SATOUMI」到着。見所多し竜串観光のスタートです。
「竜串海岸」。以前、個人的に高知に訪れた時に大好きになった場所。大自然のアート。近くで見て、遠くで見て、角度を変えて。美術鑑賞をするように。異なる点は、作品が巨大すぎて全貌を知る事はできない事。表情が刻々と変わり続ける事。永遠に掴めないだろうミステリアスなところにどうしようもなく惹かれます。僻地というのも逆に魅力の一つにも思えてきました(※重傷)。心底推しスポットです。
竜串には「グラスボート」なるものが。一見普通に見える船の底が透明になっており、浅瀬のリアルな生態を観察できるのです。竜串の海は日本最大のシコロサンゴの群落地。船長の運転テクで船底スレスレに珊瑚と周りを取り巻く小魚の群れが確認できます。
一方「海中展望塔」から眺められるのは海中7mの世界。浅瀬よりも大きい魚が沢山。波に任せて揺れている姿は愛嬌たっぷりです。水族館に比べれば、見られる種類は少ないし、見え方は海のコンディション次第ですが。生にしかない臨場感はやはり特別なものでした。
竜串の〆は「足摺海洋館SATOUMI」。展示されているのは、高知の川・浅海・深海に住む魚達。本物を見る時のような血が騒ぐ感じは無いですが、先程海で見た光景に似た展示を見つけてビックリ。他の展示も、近い形で自然界に広がっているとすれば、神秘的です。個人的にいつもツボなのは魚の顔。大抵ひょうきんだから好きです笑。最後に食卓に並ぶお魚コーナーでお腹を空かせて退場。大満喫の竜串。また改めてゆっくり来たいです。
さて、このまま宿直行!が気持ちイイですが。残念。まだ「足摺岬」へ行く宿題が・・・。竜串から足摺半島を反時計回りでひたすら南へ。序盤、道に漂うのは出汁の香り。近くに魚粉の製造会社があったのか、不意打ちの高知らしさ。細やかながら予想外のことが旅の面白さだと再確認。中盤からは期待していた海見えず。そして登り坂。最後に己との闘いとは。「足摺岬」に着くころには夕方。四国最南端は激しい断崖でした。優しい茜とのコントラストに強かなパワーを感じ、背筋を伸びる思いです。
お宿は「民宿足摺はっと」。筆者は初の民宿です。宿泊施設の種類も自由にカスタマイズできる本ツアー。民宿に泊まってみたい!その希望が叶いました。ホテルや旅館のような完全プライベートも良いですが。スタッフや他のお客さんとの境界線が曖昧な民宿やゲストハウスにも憧れがありまして。でも初挑戦に抵抗があるので、手練れの村田さんを保護者に笑。ちなみにゲストハウスは今治で挑戦します。
切り盛りしているのは可愛いお婆ちゃん。肩肘張らないお出迎えに、何だか親戚のお家に泊まりに来たみたいです笑。お部屋は質素ながら広い和室。窓からは太平洋の眺めが木々の間にちらり。日常の忙しなさから離れて羽を伸ばすには素敵な所です。
洗濯・お風呂はお宿で済ませる事が可能。待ちに待った晩御飯は旅館のような豪華さでビックリしました。全部お婆ちゃんの手作り。これを毎日提供とはタフすぎます笑。お味は正真正銘のお婆ちゃんの味。勿論、筆者の祖母は別にいるけど、原点に帰った気分になるから不思議です。
お婆ちゃんは驚く事に、始めから民宿をしたかった訳では無いとのこと。元々この場所は、亡きご主人がしていた渡船(※良好な漁場スポットに人を運ぶお仕事) に乗るお客様の駐車場だったのだけど。トラブルで駐車場管理が難しくなったのをきっかけに暗中模索。お客様が休める場所を、との計らいから休憩所を提供するようになり、民宿に発展したのだとか。そんな背景を感じさせない程、お婆ちゃんには民宿が馴染んでいます。人生成り行きで着地する事もあるのだとすれば(寧ろそっちの方が多いのかもしれません。現に筆者は骨を埋めようとした会社を退職している訳ですし)、ガチガチに将来を描かずとも、目の前に集中しても良いのかもしれません。ケセラセラ。
とはいえ、「何とかなる」というよりは「何とかしてきた」という側面もある訳で。苦境をあるがまま受け止めて、次の策を打てる柔軟性こそが、先の見えない人生を生きる上で、真の強さだな、としみじみ。格好いい人生の大先輩。お婆ちゃんから学ぶ生き方は、大いに刺激的でした。出会えて良かったなぁ。
部屋に戻ってゴロリ。民宿に泊まって良かったなぁとひしひし感じる夜。ついでに今日の振り返り。竜串の素晴らしさ以外に触れねばならぬは、お尻問題ですが。結局、痛みは最後まで耐えられるレベルでした。慣れたのか、痛覚が死んだのか、お尻が硬化したのか。触った感じでは硬くなった様子は無いし、打ち身のような痣も見られず、深まる謎。兎にも角にも、四国一周で最大のハードルと思われたお尻問題が解決。後は、10日目以降の長距離走行が次のハードルでしょうか。明日もファイト!
四国一周まであと770 km
モニターツアー【カメコ編】 記事一覧
DAY | 走行場所 | 走行距離 |
---|---|---|
1 | 高知県 高知市~須崎市 | 55 km |
2 | 高知県 須崎市~四万十市 | 74 km |
3 | 高知県 四万十市~土佐清水市 | 55 km |
4 | 高知県 土佐清水市~愛媛県 愛南町 | 59 km |
5 | 愛媛県 愛南町~宇和島市 | 40 km |
6 | 愛媛県 宇和島市~喜多郡 内子町 | 58 km |
7 | 愛媛県 喜多郡 内子町~松山市 | 62 km |
7.5 | 愛媛県 松山市 & 今治市 | 走行はお休み |
8 | 愛媛県 松山市~今治市 | 77 km |
9 | 愛媛県今治市~香川県観音寺市 | 92.5 km |
10 | 香川県 観音寺市~高松市 | 83 km |
11 | 香川県 高松市~徳島県 鳴門市 | 73 km |
12 | 徳島県 鳴門市~海部郡 宍喰町 | 99.5 km |
13 | 徳島県 海部郡 宍喰町~高知県 室戸市 | 48 km |
14 | 高知県 室戸市~高知市 | 77.5 km |
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